IFAAの概要



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1. IFAAの生い立ち

 INTERNATIONAL FARMERS AID ASSOCIATION(IFAA)は、米国の社団法人(非営利団体)で世界農業者の農業研修プログラムです。この組織は、米作農家で知られる故国府田敬三郎氏(初代会長)の提唱で始まり、外国から来る農業者を援助することから発しております。
 既に1952年から現在に至るまで4500名以上の研修生が我々の機関を通じて帰国し、世界の食糧生産に携わって大切な役割を果たしております。

・アメリカ合衆国における先人の歩み
 日本人排斥運動が起きたのは1905年である。カリフォルニアに排日土地法の存在
する根本の要因はアメリカ合衆国帰化法が日本人を帰化不能の外人として差別的
待遇を与えているが故であるとの根拠から、我にも帰化権を与えよと叫び、帰化権獲
得同盟を結成した。後に土地法は違法となり、新移民帰化法が成立した(1956)。
日本人を永年にわたり発展から疎外した差別的立法は根底から除去された。
 国府田氏がリーダーとして活躍し、仲間と歴史を塗り替えたことは重要な一歩であっ
た。氏をライスキングとして名声を上げたとか、巨万の富を築いたということをもって評価
するならば、それは単なる一般事業成功の域に過ぎない。



2. 教育方針

 日本の若者達が未来に向け、最先端ファーミング、アグリビジネス又は企業に就職するにあたって人間形成が如何に重要であるか承知のことと思います。
 IFAAでは、その基本である人間作りを教育方針に掲げ、働きながら学ぶこと(Learning by Doing)を実践しております。ただ知識だけの技術を持っていても人間の中身ができていなければ、実際に社会に出たとき、よい結果は生まれないのです。
 百姓というのは百の姓と書くように百の種類の仕事があり、この中で学ばなければならないことは多々あります。例を挙げれば、酪農は、機械、建築、土木、土壌、環境、病理、植物生理、肥料、飼料、会計、経営など百種類もあります。農業という仕事は、人間の基本的な仕事ですから、どの人でもこの1年の経験が将来必ず生かせるのです。
 従って、これから就農しようとする者、又、その他の者が、1年間、この米国の土地で、自分の足でしっかりとアメリカ大陸に立ち、厳しい自然の中で色々な体験をすることは大変なことです。しかし、その中で自分を見つめ、一人歩きすることが重要であり、それが自立心を養わせ、汗を流すことを惜しまない青年を育成するのです。
 この研修事業は渡米前に研修生がしっかりした目的意識、当人のやる気さえ持っていれば、必ず成し遂げられます。
 米国滞在中に米国の農家が心から農業を誇りに思っていることを学びます。これは本当に素晴らしいことです。この価値ある仕事である農業を身をもって米国で体験できることは、農業を従事するもののみならず、この経験が人生において必ず生きてくると確信しております。


3. IFAAのスタッフ

 全員大学の農学部を卒業し、米国で農業研修の経験を最低1年以上持っているので研修生の立場で細かい指導ができるのが特微。



4. コーディネーター

 年に2回必ず農場を訪問し、2回のオリエンテーション、2回の研修(セミナー)、計6回研修生と接する機会をもち、研修生の抱えている問題解決に全力を尽くしています。
 問題が起きてから12時間以内に連絡、解決できるようなシステムを採用しています。(距離的な問題、時差などを考慮しています。)



5. 契約

 IFAAは、研修生と契約を交わし、配属農家とも契約を交わしています。また、例として米国内において研修生がレンタカーを借りない、車を所有しないことについても契約を交わします。(21歳未満は親からの承諾(サイン)も必要)
(月々の宿題、レポート、最終課題として10枚のプロジェクトレポートの提出を義務づけています。)



6. 保険

 海外旅行傷害保険は、研修生が契約を渡米前に済ませるものとします。
 海外旅行傷害保険、受け入れ農家の労災保険、この2つの保険で研修生を守ります。



7. 期間(レギュラープログラム)

渡米日 3月(12ヵ月滞在)
  〃  3月(6ヶ月滞在)
  〃  10月(12ヵ月滞在)
  〃  10月(6ヵ月滞在)
 注: a. 年によって日程は前後することがある。
     b. 渡航及び帰国等の飛行機は、IFAAで指定した便に乗らなければならない。
       但し、帰国に関してはIFAAが許可したものに限り、別便又は他国への訪問も可能。



8. 配属地域

 ハワイ州(オアフ島、ハワイ島、マウイ島)
 西部州 (ワシントン、オレゴン、カリフォルニア)
 中西部州(ネブラスカ、アイオワ、ウィスコンシン、ミネソタ、ノースダコタ、
        サウスダコタ、ミズーリー、イリノイ、インディアナ、オハイオ)
 カナダ



9. 業種

 花奔(鉢物、菊、バラ、カーネーション)、酪農(パラー、パイプライン、フリーストール)、
 大中小規模農場(トップクラスのブリーダー農場、肉牛、養豚、養鶏、野菜、熱帯作物)
 希望業種については第3希望まで出してもらうが、3種それぞれ違う業種を提示しなければなりません。



10. オリエンテーション

 危険防止についての説明及び以下のことを行います。
 渡航時に4日間(アメリカで生活して行くための心得を習得してもらいます)。
  注:国際電話
    研修生からも親からも緊急以外は電話をかけることを遠慮するようにしている。
    (呼び出しで距離があるから無理。)非常時はIFAAへ連絡する。
    乳離れ、子離れするには、この方法が1番です。手紙を書くことの大切さを学ぶ。



11. 研修(セミナー)

1)目的
 a. 年に2回、各7日間、研修地から1番近い地域のところで大学研修に参加してもらいます。
   この研修は、広く浅く農業を学んでもらうために構成されており、アメリカ、またはカナダの農業はどのような
   経営で栽培、管理、そしてどのようにマーケットに送り出しているのかなど、アメリカまたはカナダ農業の概要
   を知ってもらいます。
 b. 疑問、不平、不満など、それぞれが抱えている問題をIFAAスタッフと研修生同士がとことんまで話し合い、
   解消し、農場に戻って新たな気持ちで研修が続けられるよう精神面からもカバーできるようプログラムを構成。
2)内容
 a. リクリエーション(スポーツ、バーベキュー、パーティー)を通じてお互いの研修生が理解し合って協力しながら、
   また、あるときは助け合うことを学びます。
 b. 講義:アメリカ、またはカナダの農業事情とその実際
   ・養豚経営
   ・農業政策
   ・農場経営の重要なポイント
   ・農業資料の集め方
   ・肉牛経営
   ・花卉・園芸経営
 c. 農場、試験場、農業関係見学予定(種苗会杜、肥料工場、穀物貯蔵庫、乳製品工場、酪農機械会杜、
   種牛、種豚、農業改良普及所、畜産セリ場、米国農務省畜産試験場、酪農飼料作物試験場、等)
 注:セミナー開催地により内容は異なる。
   研修(セミナー)費に関しては、IFAAの年間予算から算出するので研修生が負担する必要はなし。
   (交通費、宿泊費、大学講義費、農場見学費、通訳費、食費を含む)



12. 最終旅行

 農場研修を終了し、レポート、宿題をすべて提出した者に対し8日間与えられます。
 農場の中では経験できなかったことを旅行を通して視野を広げることを目的とします。
 旅行は2人以上で、IFAAで指定した危険地域は、旅行することができません。
 旅行は、月々のIFAAから与えられるポケットマネーを貯めて行います。



13. IFAA研修旅行


 全員参加。計7日間。
 個人旅行終了後、サンフランシスコに集合し、そこから主にカリフォルニア州を見学、旅するブログラム。
 IFAAの研修事業の中の最後の旅行となります。勿論、観光だけでなく、農場見学(肉牛、穀類、花井)もあり国立公園も訪れます。直接農業者と話す機会も持ち、ユニークな構成となっています。
 旅行参加費(研修生負担)は、宿泊費、交通費、食費を含みます。この費用に対しては日本から送金又は持参することも可。



14. 最終オリエンテーション

 最終的な書類の手続き、並びに反省会、修了証書授与式、送別会等を行います。
 帰国時に3日間(出発日を含む)。



15. 農場研修内容

 業種によって内容は異なりますが、一般的に朝6時から夜6時(昼食も含む)、農業に関するすべてのことを自分から何でもやり仕事全体を通じて学び取ることを目的とし、また自分の学びたいものを専門的に勉強できるよう努力するものとします。
 農場によって労働時問は異なります。
 トラクター、コンバイン、仕事用の車は、研修生の能力に応じて農家の判断に任せています。
 1週間に1度は休みを貰えます。(例外:酪農研修生は、朝晩の搾乳はやる必要があり、日中は休み。)
a. 住居
 1)家族的経営の農宗は、一緒に生活を共にし、食事も一緒。(特に中西部に多いタイブ)
 2)食事は、一緒で住居は別に与えられる場合もあります。
 3)企業的経営の農宗は、基本的に別の一軒家かトレーラーハウスに居住し、自炊。
b. 自炊
 企業的経営の農宗に配属された場合、自炊しなければならないことが多く、食費はIFAAからポケットマネーと共に送られてきます。
 自炊する農場に配属された場合、冷蔵庫、食器、その他必要最低限のものはそろっています。
 電気、水道、ガス代等は、農家負担です。
c. ポケットマネー
 月に1度IFAAから研修生ヘポケットマネーを送ります。(住居のタイプによってことなります。)
 この中から白分で貯金し、最終旅行代、約$1,000貯めます。平均$1,500は貯金可能。



16. 研修修了証書


 研修を無事修了し、月々の宿題、レポート、そしてプロジェクトレポートを提出した者に対し修了証書を与えます。優秀な者に対しては、ブルーリボン賞が与えられます。



17. IFAA予算


 IFAA事業は、自給自足(Self Supporting)を基本としています。
 管理運営費、交通費、教育費で年間予算を立て運営を行っています。
  ○管理運営費―事務所諸経費及び人件費
  ○交通費―帰国用片道飛行機賃及び国内移動運賃
  ○教育費―大学研修費及びオリエンテーション参加費(宿泊費、食費、交通費、観光費を含む。)
 農場から送金されたお金から団費を差し引き、残りのお金はポケットマネーとして研修生に返金しています。
 大学生に対しては英語学校費を別に設けています。(希望者のみ)



18. 渡航前の準備、その他

a. 渡航時持参金
  渡航時、$500。お金があると金に頼るので送金は禁止。
  クレジットカード持参のこと。
b. パスポ'一ト取得
c. 国際運転免許証
  業種によっては、車の運転を要求されるので国際運転免許証が必要。
  ただし、母国内で免許を所持していない者は取得して来た方がよい。
d. 海外旅行傷害保険
  IFAAが規定した額面で契約。



19. 強制送還

 IFAAのルールに則り、違反した者は、日本へ強制送還とします。



20. 就職活動について

 最近の傾向としては目的、または積極性のある人が求められています。ゴールのない人が入社しても長続きするはずがなく、退職するのは当然です。
 自己発見して、自分を知ることが大切な要素となってきます。渡航しアメリカ大陸に立って、あるいはカナダの大地に立って、自然と向き合って研修する1年は苦労の連続であり、それが1年後には立派に自信となるのは何故だろう!
 農業の仕事は人間の生きる基木作業です。(百種類の仕事が入っているので百姓。)年間を通じての仕事は、農業の大切さと働くことの素晴らしさを体験し、汗を流せる人間に成長します。これは真に企業が求めているものと一致します。
 経験と仕事に対する考え方が出来ており、生産コストを削減するには計画、効率、スピードを重視することを知っており、それを働きながら経験した研修生は就職活動に対して大きなアドバンテージを得ています。



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